早乙女 忍は、裕福な家庭の長子として生まれる。幼いころからどんなことでもトップに立つことを強いられてきた。
しかし、忍にそれをこなす才はなかった……。必然的に親の目は優秀な弟へと向き、自身の存在はどんどんと霞んでいった。
それでも忍は、勉強を続けた。すべてはこなせなくていい、勉強だけでもトップになるために。それが家族であり続けるための最後に残された方法だった。
……結果的に強いられた勉強だけが彼の生きがいとなった。
そして、忍は出会う。新しく入学した学校で。
不思議と惹かれてしまう一人の女の子に…。