ここは…とある深夜の繁華街。
その片隅にある地下のクラブハウス。
一般の人は入場が出来ない、特別な招待が無い限りは入場が出来ず、
外観から見てもとてもお店があるとは分からない…そんな秘密の空間。
その地下では会員制のバークラブであり…
同時に実際の現金を賭けた裏の地下カジノクラブでもある。
私はそこの地下カジノエリアで、
百戦錬磨とも言えるポーカーゲームのギャンブルに勝利し続け、いくばくかの資産を築き上げていた。
妖艶な雰囲気を纏った香しい美女スタッフやバニーガール…。
セクシーな衣装も下品に映らない程、華麗に着こなし
ゲームの進行補助やワインを運んでいる。
その綺麗なお尻に目移りし鼻の下を伸ばす男性客も多い程、美女揃いで有名でもあるのだ。
そして…今日も膨大なチップを賭けた強敵との一騎打ち…。
歓声が場内に響く
「3番テーブルのお客様、おめでとうございます!」
「何と4カード!
賭け金の全額チップ配当でございます!」
ざわつく観客をよそに、私は配当金と交換する為のチップを全て
ディーラーの隣に居るバニーガールへ運んでもらう。
今日も調子が良い。
この地下カジノで稼ぎ生き残る為には、自分自身を信じるのみだ
他の誰も信用は出来ない…。
そして常に神経を研ぎ澄ましていないと、ゲーム中で必ず自分の弱みが出る。
私はそれが得意で自身があった、だからこそポーカーゲームを選び強くなったのだ。
羨望や嫉妬にまみれた周囲の視線を振り払いながら、私は席を立つ。
今日はここまでにしておこう。
余り深追いし過ぎても、ろくな事は無いだろう。
そう思い疲れた肩を少し回し、地上へと出るエレベーターへ向かおうとした瞬間だった。
「お・きゃ・く・さ・ま?」
突然誰かに私の手を包み込まれ驚く。
振り向くとそこには、先程のポーカーゲームでディーラーの傍、私のゲームをじっと
観戦していたバニーガールだった。
「ふふ♪
突然すみません、私先程の勝負で3番のお客様の様子を見させて頂いてました
「いつも…着て頂いているお客様…ですよね?
くすっ♪
私…実はその…貴方のずっとファンだったんです♪」
「実は本日お客様に…特別なご案内がありまして、
このカジノの特別ルームへご案内させて頂きたいんです…?」
私にとっての狩場…大切なある人を守る為に戦う私に…。
孤軍奮闘する私をまるで甘く溶かす様な…恐ろしいまでの誘惑…。
快楽と…恐怖の宴に…その罠である声に…
じわじわと…私は絡めとられていた事を…
まだ知らない。