人間ともののけが分け隔てなく暮らす町、白行町(しらゆきちょう)。
そんな世界で日々、平凡な学園生活を送っていた、主人公の室里暁(むろさとさとる)
最近どうも調子がおかしい。
昔、祖母ちゃんが言ってた、「妖怪の血を引く者の一部はある日を境に人間、もしくは妖怪の側に性質が傾く事がある」という事が関係しているのだろうか。
それならば俺は今まさに妖怪の側へ傾き、人としての理性が失われ始めているという事か。
これまで普通に過ごしてきたクラスの女の子達を見ていると自然に涎が出てくる。
「美味そうだな……」
そんな冗談のような言葉が涎と一緒に出てきた。
「食欲じゃなくて性欲なのが救いか……いやいや、何を言っているんだ俺は……」
なんのひっかかりもなく出た言葉に軽い恐怖を覚えながらも、頭を振っていつも通り通学路を歩く。
このままではいつか襲い掛ってしまいかねない、どうすれば……。
そしてある日――