発端は――ちょうど1年前くらいからだろうか。
父さんが再婚した、母さんよりもいくらか若い後妻、秋穂さん。
それが俺にとって、大きな転機というか……
悩ましい日々の始まりとなってしまった。
「だいたい、俺の好みはちょうど年上のお姉さんタイプなんだよ……」
性癖については誰にも言ったことはない。……で、秋穂さんは、
完全に俺のストライクゾーンなのだ。
父さんと一緒にいる分には、あの人は父さんの妻なんだ、
と認識できていたが、急に父さんの支社への出向が決まり、
単身赴任となってしまった。
つまりは、俺が家にいる時は常に2人きり。
「颯太くん。
悩み事とか困ったことがあればなんでも言ってちょうだいね。」
……悩みも困っていることもあるけど、
あなたにだけは話せないタイプの問題なんで。
「あの……秋穂さん
実は今度父さんが帰って来た時に相談があるんですけど……」
そして、相談の結果。
アパートにて独り暮らしをすることになったのだ。
……だが。
それこそが、決定的な出来事のはじまりでもあったのだ…