

稲荷村に暮らす猫又。
朝は甲斐甲斐しく身支度を整え、食事を作り、夜は帰りを待つ。
生活を守るふりをしながら、実際はあなたを守り、
囲い込み、手放さないために動く。
大空襲を生き延びた記憶は、今も彼女の中で火の匂いとして蘇る。
眠りは浅く、悪夢は繰り返し、恐怖は「いつか失う」
という想像に形を変える。
だから、ひさめはあなたの体温を求める。
触れて、確かめて、匂いを重ねる。
優しさと可愛げの奥にあるのは、獣のように正直な独占欲。
あなたの自由を尊重したいと言いながら、
最終的には奪いたくてたまらない。
そんな矛盾を抱えながら、彼女はあなたを愛している。
