─とある国に
魔族のお姫様がおりました。
その国のお姫様は発情期を迎えると
強い肉欲に支配されてしまうのです。
そのために、姫の劣情を吐き出させ
欲を鎮めるのは専属の使用人の大切な役目。
けれども、姫にはもう一つ…特別な秘密がありました。
─姫は両性具有(ふたなり)だったのです─
無邪気でイタズラ好きな魔族の姫・フィオーレ。
普段はお転婆な彼女も、発情期を迎えることで本能に呑まれ、
支配者としての“本性”をあらわにする。
相手となるのは、彼女に仕えるトンボ種族のアーヴィングと、蝶種族のエゼルカ。
普段は保護者のような立場にある彼らも、
発情期のフィオーレの前では逆らうことすら許されない。
糸で絡め取られ、命令のままに愛される──。
それはまるで蜘蛛に捕らえられた”エモノ”のよう。
だが彼らはそれを苦痛とは思わない。
愛されること、支配されることこそが誇りである。
──これは、
魔族の姫と、二人の従者との歪んだ愛と欲が絡み合う物語。