– あらすじ –
辺境伯領の辺鄙な開拓村、収入のため駅の夜勤で働くニロと、村の役場に勤める妻のマリーユ。
二人はいつか開拓村から街に移り住みたいと願っていた。
ようやく街に家を買う目処が立ち、夢が実現する目前に急な物価高騰が二人を襲う。
公務員の給与は据え置きなのに、住宅価格は値上がりするばかり。
遠のく夢を前に為す術のない二人は、やり切れない日々を過ごしていた。
そんなある日、村役場に季節外れの人事異動で新任の統括官が赴任してくる。
記念と称してマリーユと写真を撮る統括官に、ニロは心穏やかではいられない。
それからしばらく、帰宅中後ろから呼びかける声に振り向くニロ。
追いついてきたのは同僚のリフォー。
ニロが落とした写真を手渡す彼は写真の二人に興味があるようだが……。
「失礼ですが、この方とはどういったご関係で?」
その謀みは、統括官の弱みを握ること。
密かにマリーユに話をもちかけるリフォー。
その方法は、己の身体を使って情事を盗撮するというものだった。
夢の為、統括官に身体を捧げるマリーユ。
事情を知ったニロは、寝取られる妻を指を咥えて眺めることしかできない。