『真奈』 僕の好きな女の子。 小柄で背が低くて小動物のような雰囲気がある。
放課後ー
僕は忘れ物を取りに教室へ向かった。
誰もいないと思っていた教室に、彼女はいた。
騒つく胸の鼓動を必死に隠しながら、僕は彼女に話しかけた。
どうやら彼女は、クラスメイトの作品を教室の壁に貼り付けるように、先生に頼まれていたらしく、その作業の最中だった。
彼女は僕を少し揶揄(からか)った後、作業を再開した。僕も忘れ物を取りに自分の席へ向かった。
(手伝った方がいいのかな…?)
そんな心配も束の間、彼女は僕の作品を無意識に踏みつけてしまった。
仮にも一生懸命書いた作品を踏むなんて酷すぎる…
この時僕の中に、2つの感情が生まれた。
嫌なことをされたから、仕返しをしたい気持ちー
消しゴムを踏まれた時と同様、ドキドキする謎の気持ちー
仕返しをしたい気持ちが前に出た僕は、彼女のローファーを踏みつけてやろうかと思った。
(流石にまずいか…?)
無防備に置かれたローファーを見つめていると、一つの疑問が生まれた。
こんなに可愛い子でも、靴は臭いんだろうかー?
踏むよりマシだと思った僕は、彼女のローファーを嗅いでみた。
不思議だ、何も臭わない。
でも微かに…
「何してるの?」
見上げると彼女は、ゴミを見るような目で僕を見下していたー
*冴えない主人公と、少し変わった女の子の物語です。自分の作品を踏まれて謝って欲しいくらいなのに、逆に弱みを握られて屈辱を受けていくという、フェチ色が強い作品となっています。
*全63ページ