旦那様はご存知ですか?
「マッチ売り」とは「売春婦」の隠語だということを……。
本作はマッチ売りに身をやつした少女の、可哀想だけど心温まる物語です。
○あらすじ
19世紀ヨーロッパ。
とある冬の寒い夜、密命を帯びて隣国を彷徨い歩く「あなた」は、貧民街でマッチを売る少女と出会います。
マントを羽織ったその美しい少女の値段は銅貨三枚……日本円にすれば130円ほど。
驚くべきことに130円を支払えば、マッチに灯した炎が消えるまでのあいだ彼女を好きに抱くことができるのです。
マッチの燃焼時間はおよそ30分。
さらに複数本同時点火でより濃厚な奉仕を享受可能……
さて、あなたならどうしますか?
不憫に思ってお金を恵んで立ち去りますか? それとも少女を抱くためにマッチを買いますか?
買うなら何本買いますか……?
この物語はマッチを「1万本」も買った愚かな男と、マッチ売りの少女を巡るちょっと不思議なお伽噺です。