サキュバスの世界にある、泉。
その泉は、対象のオスの性欲にまつわる全てを映し出します。例えば「あなた」が、オナニーが大好きなことも、女性に優しくいじめられたいよくばりマゾなことも、男性経験が少ない彼女とのセックスに不満を覚えていることも、マゾ向けの音声作品を聞きながらみっともないオナニーを繰り返していることも。
サキュバス界の高級食材である、「マゾ精液」。「あなた」の精液は、濃度、粘度、量、マゾっ気の観点から、Sランクに等級指定されました。それを搾り取るお仕事を担うサキュバスは、泉で予習をしてから、オスの元へ向かいます。「マゾ精液」は、マゾのみっともない性欲を優しく叶えてあげることで、熟成が進み、品質が増すのです……。
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「単刀直入に申し上げますと、あなたの精液を、頂戴したいのです」
「精液は、出せば全部一緒、ってことじゃないんですよ。どうやってその精液を作ったのか、どんな気持ちでぴゅっぴゅしちゃったのか、それによって、品質が変わってくるんです」
「彼女さん、男性経験がなかったから、あなたが教えた通りにセックスを覚えてくれるけど…。あなたは恥ずかしくて、ご自分のマゾな所、見せられずにいますよね…。本当は、挿入なんてしなくてもいい。もっと乳首をいじりながら手コキしてほしい。射精を我慢させられながら、意地悪に責めてほしい」
「あ、ごめんなさい。彼女さんを悪く言うつもりはないんです。本当にごめんなさい…。でも、私は、全部分かってますから。あなたがして欲しいこと、されたいこと…。ぜ~んぶ、勉強してきました」
「そろそろ、イきそうですね。ごめんなさい、私のお仕事に付き合わせてしまって…。私のためだと思って、その… 彼女さんには内緒ですけど…。ちゃ~んと、ぴゅっぴゅして、気持ちよくなりましょうね」
「ほら、乳首をいじられながら、ひんひん鳴いて…。このまま、精液とぷとぷしちゃいましょうね」
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……隣からは、彼女の寝息。目の前には、「あなた」の身勝手な性欲を優しく受け入れてくれる低姿勢のサキュバス。背徳感を覚えながら、謝られながら、マゾであることを許されたい。そんな「あなた」に。