「――遠距離恋愛はつらいから」
泣きそうな顔で微笑んで、彼女は別れようと言った。
絶対同じ大学に行こうと約束したのに。受験に失敗した俺のせいで全部台無し。
運命の人との恋物語は、高校3年間で幕を閉じた。
周回遅れの大学進学を機に、俺は元カノと1年ぶりに再会する。
昔と変わらず――いや、昔以上に垢抜けて可愛くなった彼女。
今度は彼女ではなく友達として。元カノと親交を持つように。
あわよくばよりを戻したいと思っていたところ、彼女がビッチであるという噂を耳にしてしまう。
性欲を昂らせてしまった俺を、元カノは冷たく拒絶して――
「付き合ってるときなら、いくらでもヤらせてあげたのにね?」
ヘタレの過去を責め立てて、悪戯っぽく微笑んでくる。
情欲に塗れた未練を断ち切るため、元カノは他の男との情事を報告してくるように。
付き合っていた俺は一度も抱けなかったのに。ロクに仲良くもない男には簡単に身体を許している。
苦しい。胸が張り裂けそうだ…。
ヤレなかった元カノに身近な男とのエロ体験談を囁かれて、俺は脳をグチャグチャにされる。