とある夏、あなたはお盆に田舎へ帰省する。
お盆と云うこともあり、家には親戚たちも集まっていた。
叔父、叔母たちからの結婚に関する話題を上手くかわしつつ、
あなたは縁側へ逃げるように落ち着く。
「…久しぶりだね、お兄ちゃん」
声がした庭の方向へ目を向けると、そこには見知らぬ少女が立っていた。
お兄ちゃんと呼ぶ女の子…少し青みがかった髪色…透き通った瞳…
──あなたは思い出す。
「そ、あなたの従妹の伊良波 夏那」
当時の面影は残しつつも、思い出すのに時間がかかったのは、
彼女が〈女らしさ〉を孕んでいたからだろう。
「昔みたいに思い出…たくさん作ろうね」
そう淫靡に微笑む彼女は、〈女らしさ〉ではなく、
〈魔性〉を孕んでいるように思えた。
ん…?ファーストキスじゃないよ
それにお耳だし…
…てか、私のファーストキスはお兄ちゃんだったじゃん
…へえ、覚えてないんだ
小さい時とか関係ないよ
傷ついたなー…
お仕置きした方がよさそう
お耳に息吹きかけるより…お耳にちゅーするより…
もっと激しい事してあげる
暴れないでよー
お兄ちゃん、たくさんお酒飲まされて動けないでしょ
観念してね?
ふふ…