あなたの住む町では、最近異常なほど行方不明が多発していた。
その数、二週間で千人以上。
いずれも一切の足取りが掴めていない大事件だ。
・・・そんな不気味で奇怪な町の中で、少女が一人、怪しく微笑む。
「先輩は、この連続行方不明事件にまつわる、ある噂をご存じですか?」
「行方不明になった人間は、【お祭り】に、連れ去られたっていう……」
少し話すだけで嫌でも理解する。
彼女と関わってはいけないと。
……でも。彼女の不気味さに。儚さに。
あなたは恋をしてしまったから。
這い上る恐怖を押し込めて。
禁足地へと踏み込んだ。