10月に入ると街はハロウィンのグッズや音楽で賑わうようになっていた。
ここ日本でも10月31日はハロウィンを楽しむ習慣がだいぶ馴染んだようだ。
僕は、そんな楽しそうな街中を歩くのがちょっと悲しくも楽しく感じていた。
この浮かれた気持ちを誰かと共有することもできず、ただただこの時を過ごす。
しかし、今日は何かが違った。
仕事が終わる帰り道、いつもなら辺りはもっと暗くなっているはずなのに、なぜか夕日のような暖かい光が街を照らす。
いつもなら伏し目がちに歩くこの道も、今日だけは前を見て歩ける気がした。
数歩歩き、またさらに数十歩…
辺りの様子がやはりいつもと違う。
すー…はー…、匂いまで変わっている。
どこか甘く、体全体にまで広がる刺激を感じた。
<この時僕は、普段と少しだけ違った世界線へと足を踏み入れていたようだ>
前から二人の女の子…あれは…、同僚のユカとマユ?
いや、なんだか妙に幼いような…それに服装だって…