人類は、記憶という大部分の情報処理を量子コンピューターにゆだねた。
記憶だけではない。あらゆる分野において、そして、人間の感覚器官までも、バーチャルリアリティー(VR)の世界においてAIに多くを委ねた。
そして、必然的に人間の価値は一次元的な創造性に重きを置かれた。
ネットに接続された想像性の価値。それを奪い取ろうとするものが現れるのは世の摂理であったのだろう。必然的に量子AIのウィルスが誕生する。
それと対当するように、略奪者を排除する量子AI、セキュリティーが誕生する。
AI以前の、量子コンピューターが存在する以前、インターネットが出来た時代から存在する必然。
だが、規模が変わる。彼らの争いは、まさしく戦争、AIという知的な電子生命の命を無数に散らす悲劇を生み出した。
『第一次情報戦争』
いくつもの悲しい物語が生まれた。
それらを止めたのは一人の少年だった。
彼は、すべてのAIの核となる条文を書き換え、互いが互いを破壊することができなくなった。「AI及び人間の破壊を一切禁止する」という条文にAIも人間も守られるようになり、のちに開発されるAIとして認識される『防衛線』によって各企業の知的財産も守られるようになった。
だが、この条文には抜け道があった。
そして、生れた新たなウィルス。サキュヴィルス(saccvirus)。
これは、とある企業を舞台とした、知的財産を守るセキュリティー少年AIたちとサキュヴィルスたちの戦いの物語である。
おすすめ度:★★★★
珍しい男性受けSF官能小説
世界観が身近でないだけ感情移入しがたいところもありますが、文章力も挿絵も商業ライトベル以上です
活字が嫌いでなければぜひ読んでいただきたいですね