「先輩のことがずっと好きでした! 私と付き合ってください!」
学園の中庭で突然の告白。
目の前には頬を紅潮させながら、今にも泣き出しそうな瞳で返答を待つ可愛い女の子。
そんな彼女に両手を広げて頷くと、二人で熱い抱擁を交わし、互いに愛を囁き合う。
――顔も名前も知らない、無関係な男女二人が。
「……これが世に言うリア充ってやつなのか」
転校初日の昼休み、たまたま告白現場に居合わせてしまった中庭の隅。
気付かれないよう植木の陰に隠れ、俺は空に向かって呟く。
「そこの二人……そんなに、羨ましい……?」
すると、同じように植木の陰で小さくなっている女子学生と目が合う。
整った顔立ちを赤くしながら、決意したような顔で、彼女はこう言った。
「……だったら……私が、キミをリア充にしてあげる……」
――わけがわからなかった。
だが、その言葉が全てのきっかけ。
なぜか俺の周りに、アレな感じな女の子たちが集まってしまった。
しかし実際にリア充になるには、どうすればいい?
友達を作って、遊びまくる?
やっぱり女の子といちゃラブればいいのか?
というかそもそも俺たちに、そんな事ができる……のか?
青い空がまぶしいこの季節、
俺と、彼女たちとの、リア充を目指す日常が始まる――