~あらすじ~
桜舞う季節。春の訪れと入学式。
貴方は新入生のひとりとして列の中にいました。
希望と不安を胸に、新しい学園での生活が始まります。
初めての教室でなんとなく近い席の男子と会話し、ホッと一息。
学年全体が浮ついた空気を放つ中、少しずつ日々が馴染んでいきます。
しかし、貴方にはひとつ気になることがありました。
『女子とお近づきになれそうな気がしない』
それは向こうの問題なのか、はたまたこちらの問題なのか。
まぁでも男の友達できればなんとかなるよねーという自分の声に頷きつつ
なんとなく校舎を探検していると……ひとりの女子が視界を横切ります。
目を奪われて立ち止まる。何に惹かれたのかはわからない。
仕草、表情、その動きのすべてを網膜に捉え続けます。
ハッと我に返り、慌ててその場を移動。
こんなことは初めてで、自分の中に問いただしても答えはありませんでした。
いったい彼女のなにが、脳裏に焼き付いてしまったのか?
それがどうしても気になってしまい……
色々と探りを入れてみたところ、彼女はいっこ上の先輩でした。
胸が高鳴る。初めての感情に気持ちが落ち着かない。
話しかけてみたい。しかし話のタネがない。
家に帰ってもずーっと頭から離れない。
クラスの女子にはまったくときめかなかったのになぜ?
自分がわからなくなっていく。
これはもう当たって砕けるしかないということで……
貴方は暴走し、一生懸命にしたためたラブレターを靴箱にそっと忍ばせたのでした。