サキュバスとは主に睡眠中の男性の夢に現れる夢魔の一種で、まれに覚醒中に姿を現すこともある……が、どちらの場合にも共通するのはその淫靡な習性である。サキュバスは人間との淫行に及んで得た精気を糧として存在を維持するとされており、個体差こそあるものの、魅入られてしまった人間の悲惨な末路の例は枚挙にいとまがない。
ただし、破滅に至るまでには想像を絶する快楽が待ち受けていることもまた事実であり、吸われ、舐められ、しゃぶられ、しごかれ……といった一般的なものはもちろん、特殊な嗜好を持ち合わせた人間の前に現れた場合、自らの肉体を変化させてまで欲望に応える個体すら存在する。
ここまでのことからわかるように、サキュバスはその獲物となる人間の欲望を嗅ぎつけて忍び寄り、甘い言葉と蕩けた声で劣情を巧みに煽り立てる。ゆえに対策としては、穢れた欲望を抱かないこと。肉欲を味わい慣れたサキュバスは常に新奇な欲望に飢えており、例えば……
「楚々とした服装のかわいらしい少女の股間に、本来あってはならない肉棒が生えていて、しかも中身のたっぷり詰まっていると思われる陰嚢が重たげに揺れ、なぜかはわからないがこちらを見つめながら発情期の獣のように低く荒い息をついて、通り一遍の男では並び立つべくもないほどに剛根をたくましくみなぎらせて上からも下からも熱い涎を垂らして……」
などという罪深い妄想で発情することが常になってしまっている男性などは、彼女らの格好の餌食と言える。
前述したように、サキュバスに誘惑を受けた男性は一時の快楽と引き換えに精気を吸いつくされ、見るも無残な姿で発見されることになる。しかしそれでも、サキュバスたちにとっては食事のようなものにすぎない。
ならば趣味として、サキュバスの餌ではなく「おもちゃ」として気に入られてしまった人間は……
ですって。わぁ、怖いよぉ……怖すぎて抱きついちゃいます、えへへぇ♪ 硬~いのが当たってる? 当ててるんですよぉ、わざとぉ……♪ でも、どうなっちゃうんでしょうねぇ、女の子に生えてちゃダメなものが生えてるー、なんて妄想ではあはあしちゃって、そのおいしそうなにおいを嗅ぎつけて現れたサキュバスを、まんまとおうちにあげちゃってー、こぉんなふうにぎゅーって抱きつかれちゃうほど気に入られちゃってる……なぁんて、どうなっちゃうのかなぁ♪ ねぇ、「人間さん」……♪
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