あらすじ:
寒川ゆるぎは、クラスメイトの女の子。
いつも暗い顔をして、ひとりぽつりと机に向かって、何かを熱心に書いている。
同じ文芸部員だからこそ分かるが、小説かなにかだろう。
部員仲間といっても、会話したことなどほとんどない。挨拶をすれば返してくる、程度のものだった。
しかし、寒川は……。
見かけは、とても可愛いのである。
制服を着崩さないために分かりづらいが、身体もなかなかウッフンだ。
とはいえ、近寄りがたい雰囲気を放っているために、好きこのんで声を掛ける輩はいないようだった。
ある日の放課後、寒川と二人きりになった。
元々出席率のよろしくない文芸部。寒川相手では会話も起きず、物静かな時間が訪れる。
ふと、好奇心が芽生える。
声を掛けてみようかな……と。