髑髏川学園によるハニ―トラップが、各校で横行するなか、自身の学校にも工作員が
紛れ込んでいることを知った「語部 学」は、その真実を周りに告げることができずにいた。
罪悪感と逃避に苛まれながら日々を過ごす学は、練習中にいつもできていたことが
できなくなっていることに気づかされる。
気落ちする最中、その原因の一人でもある「日都條絆星」が、不意に声をかける。
意識の外。まとまらない思考。それをいいことに、彼女は学の記憶を掘り起こす。
黑ノ芽を含む彼女たちとの肉欲の記憶が、下腹部への刺激によって回帰する。
思い出される彼女たちとの甘く柔らかな時間、今までに体験したことのない快楽。
罪悪感からだろうか、自慰行為を我慢してきた学にとって、激しすぎるその刺激は、
彼の意識を飛ばすのには十分なモノだった。
目覚めた保健室。装着された貞操帯。短パンから見える彼女の素肌。
体が触れる。
彼の脳内では肉欲の記憶がリフレインする。
これ以上仲間を裏切れない。
罪悪感と肉欲のはざまで、揺れる彼の心を知ってか知らずか、彼女は妖艶な笑みを
浮かべながら「ぴぃぃん ぴぃぃん」と、もてあそぶ。
そう、いくら抵抗したところで、一度肉欲を刻まれた男は、その快楽を忘れられない。
永遠にも感じる時間の中で、その毒がじわりじわりとまわってくる。
弱る自分。そして、その様子を冷めた目で眺める日戸条 絆星に……、
語部 学は興奮していた。