01-幼馴染メイド 11:12
……はぁ……なんで私がこんなシンドイ思いをしてまで貴方の世話なんてしないといけないのよ
本当うちのメイド長様は下っ端メイド使いが荒いわね
……貴方からも一度注意しなさいよ……もっと新人のことを大切にしろって……貴方の命令なら聞くでしょ？
……はぁ……もういいわ……それより、早く起きて支度をしなさい
……ねぇ……私の話、聞いてるの？
貴方が早く起きないと、世話役の私がメイド長に叱られるのよ
だから、さっさと起きなさいって
ねぇ、無視しないでもらえるかしら
……はぁ……こうなるってわかってたから貴方のメイドになんて、なりたくなかったのよ
……金払いがいいから働いてあげているけど、こんなに手のかかる主人なんだったら、今すぐ辞表を書いて転職するわよ……そうなったら、貴方はどうするの？
新人のメイドが一人辞めたくらいで、別に貴方に損害はないだろうから、このまま起きずに寝過ごすつもりなのかしら……私、本気よ。今すぐ起きないと本当に貴方のメイドをやめるから
そうね、後3秒待ってあげる。私にメイドをやめさせたくなかったら、3秒以内に起きなさい……
3、2、1……あら、おはよう……何よ、どうせ起きるのなら、最初からそうしてなさいよ
それとも、そんなに私にメイドをやめて欲しくないのかしら？
そう……確かに雇い主という体で幼馴染をこき使えるのなら、これほど愉快なことはないわよね……気持ちはわかるわ……でも、趣味が悪いわね……それに、気持ちも悪いわ……変態……
もし貴方に下心があるのなら釘を刺しておくけど、私は貴方に雇い主以上の感情は持ち合わせていないわよ
私がするのはメイドとしての業務だけで、業務外の命令をされても、従わない
……だから、そういう期待はしないことね
（プロローグ/目覚まし）