~あらすじ~
とある男女の間に産まれた男の子。
その父親は一代にして巨万の富を得た世界的大企業の社長でした。
5人兄弟の末っ子で、上はすべて兄。
全員に等しく英才教育がなされましたが、
彼だけはほとんどの分野で才能を見せることがありませんでした。
次第に扱いが悪くなっていき、習い事の送迎車もなくなる始末。
兄たちからはのけ者にされ、出向いた先では御曹司として敬遠され……
望んだわけでもない自分の生い立ちのせいで居場所をなくしていきます。
至って普通に感じる自分の存在に、
本当はこの家の子ではないのでは?
という疑問すらまかり通りそうになったとある朝。
いつものようにひとり徒歩で習い事に向かっていると、
突然目の前が真っ暗になり……
気が付くとそこは、見知らぬ場所と、見知らぬ3人の女性。
奇しくもあの家の子であると実感させられる誘拐の結末やいかに――