「はぁ、はあっ……やるな! この作者っ!」
飛び散った精液をティッシュで拭き、俺はエロマンガの単行本を閉じる。
抜いてスッキリしてしまうと、その後に訪れるのは賢者タイム。
大学卒業を目前にした俺に、現実という壁が圧し掛かってくる。
「……まだ就職決まってないのって、周りじゃ俺くらいなんだよな……」
趣味のエロマンガに全てを注ぎ、就職活動らしいものを一切していないのだから当然といえば当然だ。
さすがの俺も焦ってはいるが、とりあえず解決方法は無いし。
ひとまずいつものように、今日発売のエロマンガ雑誌に目を通そう。
手に取ったのは 『コミックボトム』。
創刊してからの歴史は浅く、目玉らしい目玉もないしょっぱいエロマンガ雑誌だ。
パラパラとページをめくり、巻末の目次を見ていると……
‘‘雑誌リニューアル予定につき編集部員募集! 社員登用あり!’’
「こっ、これは……!!」
ここに1人、エロマンガが好きだけど就職が決まってなくて困っている男がいる!
そしてここに1冊、編集部員を欲しがっているエロマンガ雑誌がある!
この2つの事実から導き出される答えは1つ!
ボトムが俺を呼んでいる……!
……というわけで、紆余曲折の末に受かった編集部は、もういつ潰れてもおかしくないような状態で……。
でも、担当マンガ家さんや社員は可愛らしい女の子ばかり♪
と思いきや、一筋縄ではいかない性格の人だらけで、しかも編集長はやる気がないときている。
でも、せっかく大好きな業界で働けるんだ!
コミックボトムに携わるみんなのためにも、俺頑張ります!!
特集: CLOCKUP特集