ある日突然女子生徒になって――
その上、神様になってしまいました。
都内の一角にある、広大な敷地を誇る女子校、聖マラドンナ女学院。
昭和初期から連綿と伝統を残す、由緒ある女子校である。
聖マラドンナ学院には、年に1回、
外部には決して漏れることのない祝祭が執り行われる。
女として生まれた以上、その身には優れた男子の遺伝を宿し、
次代を担う優れた御子を産まなくてはならない。
将来、学院生が子宝に恵まれますようにと、おこなわれる神聖なる儀式。
それが、鎮交祭。
鎮交祭では、その年、最も成績優秀な者を『男神・ヴェルニス』として御神体を崇め、
優秀な遺伝子を皆に授ける儀式を執り行う。
――らしいのだが。
「あたしは絶対、御神体なんて晒し者になりたくないのよ」
その成績優秀者に選ばれたっていうのが、俺の妹だっていうんだけどさぁ……?
「ねっ、あんた、あたしの代わりにウチの学院に通ってよ!」
化粧をさせられ、ウィッグをつけさせられ、妹に女装を強要された俺は、
女子寮へと侵入したわけだが。
あっという間に、1人の女学生にバレてしまった!
しかも、瞬く間に、全校生徒にまで広まってしまい、股間の御神体を全校生徒に晒すことに!
人生の終了を確信した俺だったが、
「今年の『ヴェルニス様』は、ホンモノよーっ!」
しかし、学生たちは、俺をちんこの生えた女子として、
御神体に相応しい身として、尊敬し始めるわけで……。
……なぁ、こんな話がありえる?
ありえないよな?