「私たちの学園へ、ようこそ!」
夏休みが終わり、文化祭や体育祭といった秋のイベントを迎える新学期。
姉の薦めのまま転入を決めた俺は、新たな生活への期待に胸を躍らせていた。
そう、校門をくぐるほんの数分前までは――
俺の転入する間ノ島(あいのしま)学園には『2つの生徒会』が存在し、互いが常に競い合っていた。
運動部が月華会、文化部が天道会を支持するという代理戦争状態で、
しかも、状況は五分と五分で膠着したまま。どうやらその均衡を崩すのが、俺の持っている最後の1票らしい。
聞いた話によると似たような状況が6年前にもあったらしく、
勝手な期待をかけられた俺は、転入初日から引っぱりだこになってしまう。
なんだか姉から聞いていた話とはだいぶ違うような気が……!?
静かな学園生活をおくる計画だったのに777人目の生徒として注目を一身に集めてしまうなんて。
777でラッキーどころか、超アンラッキーな事態になっちゃったのかも!?
2つの生徒会に加えて部活の争いまで絡んできて、俺の新生活は早くも波乱含みになってきたような気がした――