矢凪晋平は、平穏でちょっと酸味の効いた毎日を送っている。
アニメやゲームが大好きで、特に現在深夜に放送中のアニメ数作品がお気に入りという、どこにでもいる平凡なオタク少年だった。
今夜もいつものように、ネットの実況スレッドに書き込みながらお気に入りのアニメ『禁断のプリンセス マジカルスノーウインド』を見る晋平。
いつものようにヒロインのメイアップル姫が登場し、大活躍。
この場所こうなったらいいのに、とエッチな展開を妄想し、実況スレッドに書き込む主人公。
いつもなら「ねーよww」とツッコミレスが入って終わりのところ。
しかし、様子がおかしい。
本来なら放送が終了する時間なのに、まだ作品が終わらない。
さらに、自分が妄想したとおりに、メイアップル姫がとても放送出来そうもないようなエッチな目に遭っているではないか!
思わぬ展開に主人公は興奮、ネットの実況も祭り状態──と思いきや、
実況されている内容と、自分が見ている内容が異なっていることに気付く。
『おかしい、それじゃ僕が見たのは一体何なんだ!?』
翌日、その場面の話を友人とするが、やはりそんな場面はなかったと言われてしまう。
その日の深夜、別のお気に入りアニメを見る晋平。
同じ様に、こうなったらいいのにと彼が妄想したとおりの、
あり得ないようなエッチシーンが、本来の放送終了の時間を過ぎてから展開する。
今日こそ祭りだ!
しかし、実況スレッドは何事もなかったかのように、いつものようなスレ進行を続けているだけだった。
そんな不可思議な出来事が続いたある日。
晋平はふと、メイアップル姫がホントにいたらなあ、などと妄想する。
妄想は止まらない。
晋平の頭の中に発作のように湧き出す欲望の泉。
それを鎮めるべくズボンのベルトに手を掛け、熱いパトスが下腹の奥底から込み上げてきたその時…
PCのモニターが光を放ち、その中からメイアップル姫が本当に実体化して主人公の部屋に現れてしまう!
飛び散る白濁液の中に顔を突っ込むようにして!
『なんとういう汚らわしいものを、私の、あろうことかこの私の顔に浴びせ掛けてくれてるのよ!?』
原因は分からないが、晋平の部屋と作品世界がどういう訳か繋がり、
彼の妄想が作品世界に影響を与えているらしかった。
そうと分かれば、晋平の妄想がこれで終わるはずもない、もちろん性的な意味で。
巨乳で天然な退魔巫女と、健気でぺったんな生体コンピュータの少女も巻き込み、
彼女たち3人と日常生活を送りながら、晋平のエロ妄想は留まることを知らないのだった──。